漆器 椀 小谷口剛

小谷口 剛(漆器)

普段使いのできる、良質な漆器

小谷口 剛(コタニグチ ツヨシ)

小谷口さんの漆器は木地も漆もすべて国産で、接着剤などの化学物質も一切使われていません。国産の木を時間をかけて乾燥させているので、変形しにくく、長く使えます。さらに強度を出すための布張りも、もち米と漆をまぜたもので木地にくっつけるという、昔ながらの伝統工芸の技が、十分に発揮されています。全ての下地の工程が終わるまでなんと45日以上かかります。伝統工芸の資格もないため、下地師の仕事は表に出ることはありません。一日研ぎだけで終わる日も多々あるそうです。こういった地道な作業が、素晴らしい器を作るのだと改めて感動しました。下地の材料(地の粉・砥の粉)も能登や京都などの国産を使用し、長く使えるものづくりに一切妥協はありません。

小谷口 剛

目の前にあるものは、本当に「ほんもの」であるかどうかはわからない。と言うか「ほんもの」の定義がなんなのかもはっきりしていない。値段が高ければほんものなのか、作家が作っていればほんものなのか、それは中身をひっぺがして全部見てみないとわからない。だから、私はこの漆黒の椀の中に、「ほんもの」が隠れていることを伝えたくなりました。満を持して、2017年12月に小谷口さんの漆器を販売することになりました。

漆器の製造工程

1.木を挽く

漆器 椀 小谷口剛 漆器 椀 小谷口剛

伐採→製材→乾燥→粗挽き→乾燥→ろくろ挽き

小谷口さんがつくる漆器は全て国産の木を使用。初めの乾燥だけで、約2年。粗挽き後の乾燥は「燻煙乾燥」「真空乾燥」「自然乾燥」の3種類。その後、ろくろ挽きでは木地を通常よりも多い、5点で支持しています。そのため、仕上げにサンドペーパーをほとんど使用しなくとも、歪みのない美しい正円が出来上がります。

2.下地を施す

漆器 椀 小谷口剛 漆器 椀 小谷口剛

木地固め→こくそ等→布張り→一辺地→二辺地→三辺地

木地に漆を染み込ませ、変形などを防ぎます。下地工程は100%国産漆を使用し、能登産の地の粉と京都山科産の砥粉を使用しています。ヘラで下地をお椀のカーブに合わせて少しずつ付けていき、固めます。少し塗って、固まったらまたその隣を塗るの繰り返し、しっかり時間をかけて丁寧に施していきます。ひととおりの下地が固まったら、研ぎ、これを3回繰り返し、汁椀で最短30日ほどかかります。

3.塗り

漆器 椀 小谷口剛

下塗り→研ぎ→中塗り→研ぎ→上塗り

霧吹きで水気を与えて短時間で固めたりせず、低湿度でじっくりと固め、美しく耐久性の高いものを作ります。塗りが終わり、固めている間は回転させ、液垂れを防ぎます。固まったら研ぎ、塗りを繰り返していきます。

小谷口 剛 プロフィール
石川県加賀市在住、漆器専門家。山中漆器伝統の優れた技法を大切にしながらも、より良い製造方法と素材を組み合わせ、国産の木材と漆の使用を貫き、化学物質を一切使わず、普段使いができつつも耐久性のある良質な漆器づくりに取り組んでいる。