B Corp わざわざ

従業員の満足度を
測定してみた

わざわざのB Corp Journey #3

最終更新日>2021/08/26
文責>コースケ 写真>若菜紘之


現在、B Corp認証取得に向けて準備を進めているわざわざ。

オンライン上で受けるBインパクトアセスメントには、会社の内部に関する様々な質問項目があることは、前回の記事(#2)でも触れました。

その質問には、すぐ答えられるものもあれば、回答するために準備の時間がかかるものもあります。今回は、その中でも私たちが特に時間をかけ、社内全体を巻き込んで回答した項目について取り上げます。

B Corp認証について詳しく知りたい方は、初回の記事(#1)をご覧ください。

従業員の満足度

その質問は、このようなものでした。

あなたの会社では、以下のいずれかの方法で、従業員の満足度とエンゲージメントをモニターし、評価していますか?

それに対する回答選択肢は以下です。

1. 従業員の離職率を計算している。
2. 従業員の離職率を、関連する指標・基準と比較している。
3. 従業員満足度調査またはエンゲージメント調査を定期的(少なくとも年1回)に実施している。
4. 自社の従業員満足度を、業界の指標と比較する。
5. 傾向を把握するために、異なる人口統計グループに基づいて計算を分解している。
6. 離職率に関して、業界の指標・基準を上回る結果を出している。
7. 従業員満足度に関して、業界の指標・基準を上回る結果を出している。
8. 上記のいずれでもない
(複数回答可)

初見の段階だと、この中にわざわざが既に行っているものはありませんでした。しかし、従業員の満足度に関しては、年度末の定期面談や、不定期の個別面談を通してヒアリングをすることはありました。そのためこの機会に、きちんとした “調査”の形態をとって、やってみることにしました。

そして結果は以下のようになりました(一部抜粋)。1が高評価、5が低評価です。

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ここから集計した数値をまとめると、満足度は約8割という結果になりました。おおむね満足していると受け止められる数字です。しかし、ところどころで満足度の低い回答があることは気になりました。このアンケートは匿名式にしたため、誰がどんな点で満足していないのかはわからないままでした。

意見収集ミーティング

そこで、これはもはやアセスメントの点数に直結しないのですが、アンケートとは別に、従業員の声を聞く機会を設けました。満足度を低くしたのが誰なのかは追求しない代わりに、会社に対する要望・不満をスタッフに発表してもらい、代表平田が一つ一つ回答することで、疑問を解消していこうという考えです。

わざわざでは毎週水曜日の朝に全体ミーティングを行っているので、その場で質疑応答をしました。主な内容は以下のようでした。

Q: 夏は、わざわざ実店舗や、パンの発送作業場所(倉庫)がかなり暑くなる。お店ではお客様が暑そうだし、従業員としても空調のある事務所や問touとの格差が生じている。
A: 実店舗には空調を導入できる余地がある。別でミーティングの時間をとって、来年夏までに改善するように進行しましょう。パンの発送は、エアコンのある別部屋を整理して、移管することは可能。
Q: 商品の検品環境を整えたい。今の場所は暗くて色が判別しにくい。
A: 商品撮影に使う、色判別ができるライトを導入しましょう。
Q: 長期休暇が取りにくい(実店舗スタッフは特に)。突然出勤できなくなった時でも対応可能なしくみにしていきたい。
A: 実店舗以外のメンバーがレジ打ちや簡単な接客ができるようにするのがいい。希望者を募って、年内に整えられるように進行しましょう。
Q: 人によっては他部署とのコミュニケーションが皆無。もっとつながりを作りたい。
A: オンラインストア・SNS運営チーム(つうしん部)を中心にリモート勤務メンバーと定期的にオンラインのランチ会をしているので、そこに参加するようにしてみては?
Q: 人事評価について。これまでの「評価しない」方針を変えて、去年は「相互評価する」ようにしたが、あまり上手くいかなかった。今の考え方は?
A: 去年は人によって評価の基準がバラついて判断しにくかったが、今年はそのバラつきを踏まえても、もう一度トライしてみようと思っている。
Q: アルバイトの勤務日数によって有給をどれだけ付与されるのかわからない。
A: 現在の就業規則を再度共有する。今までは聞いてくる人に個別回答することが多く、知っている人といない人で情報格差があったので、そこがフラットになるよう改善が必要。

1時間ほどかけて、出てきた質問は10ほど。出てきた課題には、一定の期限を設けて対応していくことになりました。

アセスメントのメリット

ここまで調査やミーティングに時間をかけたものの、話をアセスメントに戻せば、回答できるのはわずか1-2問です。しかし、そこには点数だけでは測れないメリットも確実にありました。

まず、今まで感覚的に測っていたスタッフの満足度を、客観的かつ目に見える形にできました。そしてスタッフの要求・不満を意見交換することで、課題が浮き彫りになり、問題解決の一歩を踏み出すことができました。アセスメントをきっかけにして、こうして自分たちを見つめ直す行動に至ったので、点数はさておいても、アセスメントを受ける意義は十分あったように感じます。

さて、そうこうするうちにわざわざのアセスメント点数は70点弱まで上がってきたのですが、まだ道のりは遠い…。これからどうしていくのかは、また次に記事にて。


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