色々と着回ししてみました
ワカナン編
最終更新日>2021/10/08
文責>いしはら 写真>若菜紘之
特集「色々と着回ししてみました」第2弾ということで、今回はわざわざのアイテムをカメラマンのワカナンが様々に着回ししてみました。
レディースのお洋服はスカートもパンツもあるのでシルエットに変化を付けやすいですが、メンズのコーディネートはパッと見た印象がいつも似たような感じになりやすいもの。そこで「色」です。色をうまく味方につけて組み合わせを変えていけば、季節感や変化が生まれてきます。
ようやく毎日が秋めいてきました。冬ほど防寒に気を取られすぎることもなければ、夏のように涼しさ最優先の服を選ぶ必要もありません。純粋にファッションを満喫できる秋、様々なコーディネートを試してみませんか。
ベージュのボトムスで秋気分
ベージュのボトムスはチノパンなどでお持ちの方も多いと思います。カジュアルな雰囲気になりやすいですが、素材感と色の合わせ方次第でこなれた感じを出せるアイテムです。ベージュの色味が明るいので、靴は濃いこげ茶や黒をセレクト。全体がうまく締まります。
白シャツとベージュのボトムス、これぞ鉄板の組み合わせ。だからこそ、白シャツの素材にこだわりたいところです。アイリッシュリネンという光沢とマットな質感を合わせ持つ白シャツで、よくあるコーデなのにひと味違った雰囲気を作りだします。
シャツとボトムスの組み合わせは先程のコーデとほとんど一緒ですが、今回の白シャツは素材が綿100%。動きやすさにすぐれた方を選びました。カジュアルな小物を合わせて、休日のお出かけに。
今度は白シャツを羽織りとして着てみました。引き続き似たようなコーデが続いていますが、前のボタンをあけることで縦のラインが強調されて、スッキリとした印象に。
ちらりと見える水色がいい差し色です。明るい水色だと夏らしくなりますが、この水色なら落ち着いたトーンなので秋でも大丈夫です。水色のほか、グレーを中に着てもいいですし、くすんだピンク系を合わせても。
シャツをスモーキーな水色に変えてみました。コーデュロイ素材なので、秋らしい雰囲気が際立ちます。
水色とベージュは相性が良い組み合わせです。これを応用して、例えばトップスをベージュにしてブルー系のボトムスを合わせるのもアリ。ついついベージュ×白のコーディネートを多用してしまいたくなりますが、ベージュ×水色も取り入れていただけると一気に幅が広がります。
グレーのもんぺできれい目に
グレーのボトムスはビジネスにもカジュアルにも対応できます。きれい目に見える素材で作られていればなお良しです。穿いてみると意外ときちんとした印象になる「ストレッチもんぺ」のグレーを活用してみます。
ジャケットに襟付きのシャツ、革靴を合わせればすっかりビジネスモードに。ストレッチもんぺをスラックスのように見せています。
中のシャツを水色に差し替えるだけで、少しカジュアルに。首元にはアクセントとして同じく水色のストールを合わせました。
色の組み合わせを考えるのが苦手な方は、コーディネートに使うのは3色までと思っておくと失敗しにくくなります。今回のコーデは黒&グレー・こげ茶・水色の3色。「ストールまで巻いて、このコーデは上級編なのでは」と思われるかもしれませんが、色がまとまっていれば一気にバランスが取りやすくなるものです。
黒&グレー・こげ茶・水色、であれば4色では?と思われたかもしれません。ここには「無彩色」と「有彩色」の違いが関わってきます。
<無彩色と有彩色> 色のあざやかさや強さの度合いは彩度であらわしますが、この彩度の有無によって、色彩は無彩色と有彩色に大別することができます。無彩色とは白・灰・黒など、色みのない色をいい、有彩色とは、わずかでも色みのある色をいいます。 「武蔵野美術大学 造形ファイル 無彩色・有彩色」より引用
画像では赤が例として挙げられていますが、黄色や茶色、青、緑なども有彩色です。白・グレー・黒の無彩色以外は有彩色と捉えていただけたらわかりやすいと思います。
白・グレー・黒は全部ひっくるめて1色と考えることと、それ以外に使う色を2色までと思っておくこと。このポイントが頭の片隅にあると、今日は何を着ようか迷った時のヒントになるかもしれません。
濃いめのグレーと黒で重めな配色に、茶色を合わせると深みが出てきます。例えばインナーを白にすれば、無彩色のモノトーンコーデに。それはそれでシンプルさが際立つので、気分に合わせてうまく使い分けてみても。
今回は全体的に重厚感のあるコーデながら、ブルーグレーの帽子が軽さを足していてカジュアルな雰囲気も出ています。
きれい目グレーだからこそ、トップスが白いTシャツ1枚でも十分に様になります。もんぺもTシャツも着心地にすぐれた生地で作られているので、この組み合わせなら休日をゆったりと過ごせます。
黒ではなく、チャコールで印象を柔らかく
黒のセットアップはよくあると思いますが、あえて真っ黒ではなく「チャコール」色を選んでみます。真っ黒ではないからこそ、黒っぽいのに黒ならではの格好良さにある角が取れたような、どこか丸い雰囲気になります。
白と黒はどちらも無彩色ですが対極にある色味なので、白シャツ×黒パンツはハッキリとした対比が出てきます。今回はチャコールなので、パキッとした印象になりすぎずにまとまりました。ほんの少しの色味の違いが味になります。
ベージュと合わせてアクティブに。ゆったりとしたデザインなので、動きやすさもあります。
今回活躍してくれたアイテムはこちら。
- 1.HW JACKET|ASEEDONCLOUD
- 2.HW EASY TROUSERS|ASEEDONCLOUD
- 3.コラボもんぺ|うなぎの寝床×わざわざ
- 4.ストレッチもんぺ|わざわざ
- 5.パン屋のTシャツ|わざわざ
- 6.HW collarless shirt corduroy blue|ASEEDONCLOUD
- 7.リネンのTシャツ|わざわざ
- 8.TUTU ロングスリーブ|yohaku
- 9.ハンズアップシャツ|ALL YOURS
- 10.アイリッシュヘビーリネンシャツ|James Mortimer
- 11.ALWEATHER|ムーンスター
- 12.DENALI|NAOT
- 13.ワカナン私物|アサヒシューズ
メンズのファッションの肝ともいわれる「靴」。今回は黒いスニーカーを2種類セレクトしていました。すべて布地のものと、防水のためにラバーの切り替えがあるものとでは、同じ黒でも足元の印象が違ってきます。
メンズファッションには、こうした微妙な違いを掘り下げる楽しみがあると思っています。ほんのちょっとの差しかないからこそ、こだわりをもって選ぶ。そしてそれらを積み上げることが、独自の空気感のある装いへとつながっていくはずです。
ご期待ください、classicoセレクト
この秋からわざわざのファッションラインナップがいっそう充実し始めています。今回の特集でもご紹介した「ASEEDONCLOUD」「James Mortimer」をはじめ、男性に着用いただけるラインナップを充実させるべく、h.b.シャツでおなじみclassicoの店主・高橋さんにご協力いただいています。
どれもユニセックスで着用いただけて、仕事でもプライベートでも幅広いシーンで着られるものばかりです。この記事で提案する着回しなども参考にしながら、普段の生活に新しい1着を取り入れてみていただけたら嬉しいです。