ラプアン カンクリ

LAPUAN KANKURIT
ラプアン カンクリ

フィンランドから届けるテキスタイル

最終更新日>2021/11/27
文責>ワタナベ 写真>若菜紘之

日々の暮らしに寄り添うテキスタイル、LAPUAN KANKURIT

lapuankankurit

"TANHU"blanket

LAPUAN KANKURIT(ラプアン カンクリ)は、フィンランド北西部にある人口1万4千人ほどの小さな町「ラプア」にあるテキスタイルメーカーです。夏は一瞬のように過ぎ去り、辺り一面が雪に包まれる長い冬が続く厳しくながらも美しい自然の環境のなか、昔から木工やテキスタイルなど手工業が盛んな地域でもあります。

ラプアの町では夜ご飯の準備をしていると、ご近所さんが台所に上がってきては横でお喋りが始まるような、都会では見られなくなった風景が広がります。

曾祖父から受け継がれてきたクラフトマンシップ

lapuankankurit

140×180cmサイズの"SARA"blanket

ラプアン カンクリは、このラプアの町で1917年に物語が始まりました。まずは、後に三代目となるユハさんの曾祖父が1917年に廃材と自分で紡いだ毛糸でフェルトブーツを生産し始めます。その後曾祖父の跡を継いだ祖父の工場で働き始めたユハさんは、働く中であらゆるノウハウを身につけ、後にラプアン カンクリの各のひとつともなるジャガード機を導入し、フィンランド伝統のタペストリーを生産する会社を独立する形で立ち上げました。

これからの時代は規模が小さくとも専門的な技術に専念することが大切だと考え、これまで手織りだったタペストリーをジャガード機を使って織り始めました。その小さな織り工場に「ラプアの織り手たち」を意味する「Lapuan Kankurit(ラプアン カンクリ)」という名前を名付けました。

lapuankankurit

流れるような織り柄"SARA"

さらに、10代のときからユハさんの工場を手伝っていた息子エスコ・ヒェルトさんが、大学でテキスタイルの技術を学んだ後、故郷に戻りラプアン カンクリで働き始めたことが魅力をさらに引き上げることとなります。

当時、市場調査で人びとがフィンランド製品のリネン製品を使いたがっていることを受け、ラプアン カンクリではジャガード織りで新しいリネン製品を作り始めました。やがてエスコさんが、ラプアン カンクリを継ぐとリネンの専門知識を活かし、テキスタイル事業を拡大しました。

作る製品や事業の形は変わっても、曾祖父から受け継がれてきたクラフトマンシップを大切にしながら、リネンやコットン、ウールなどのこだわり抜いた素材を使い、細やかな縫製技術で日常に寄り添うテキスタイルを作り続けています。

美しい織り柄。

lapuankankurit

柔らかな風合い"KOLI"

ラプアン カンクリの魅力のひとつは美しい織柄。ジャガード機を導入したラプアン カンクリでは、200年以上も前のフランス革命が起こった頃、フランスのジョセフ・マリー・ジャカールという人が発明したとされる「ジャガード織り」を得意としています。立体的で美しい模様を表現できることから、現代でも愛され続ける縫製技術です。

lapuankankurit

埋もれたい心地よさ、"KOLI"

先に染めておいた糸を決められたデザインに沿って糸を重ね、模様を織り上げていきます。このようにして織り上げていくことで、生地自体に柔らかさと厚みがでてきて、模様に立体感がでてきます。厚みのある生地なので、耐久性に優れ長く使い続けることができるテキスタイルが生まれます。

lapuankankurit

ジャガード織りでは、端の折り方も特殊とされています。

大量生産に向かないジャガード機の織り成すスピードは決して速くはなく、リネンやコットン、ウールなどのこだわり抜いた素材を使って縫製するラプアン カンクリでは、なおさら丁寧な縫製技術が求められます。中でも切れやすいとされるリネンの糸はジャガード機で織り上げる最中に糸がきれてしまうと人の手が必要になってきます。

こだわりのウール。

lapuankankurit

二重の生地であたたかふんわり"TANHU"blanket

使用する天然素材の質の良さは、そのまま製品の肌触りの良さに直結しています。例えば"TANHU"blanketでは、ウールの中でも最高級品と言われるメリノウールと、1年以内に羊から刈り取られたピュアニューウールを使用し、温かく心地よい二重のブランケットに仕上げています。抜群の温かさと密度高く織られたしっかりとした生地に加え、チクチク感のない柔らかな肌触りが体を包みます。

lapuankankurit

"SARA"blanket

ソファや椅子などすぐ手に取れるところに置いて、さっと羽織ったりひざ掛けに。インテリアとして使えば部屋の雰囲気が柔らかく変わります。お出かけのときは肩にかけて防寒対策。デザインと機能性を併せ持ったラプアン カンクリのブランケットは様々な場面で活躍します。

手間と技術をかけて織り上げられた、日々の暮らしに寄り添うテキスタイルを、今日もラプアから世界中に届けています。