アリアケスイサン

アリアケスイサン

有明海の恵みとともに

最終更新日>2023/10/19
文責>鈴木誠史 写真>若菜紘之


福岡県大川市。日本における海苔の生産量の4割を誇る有明海で、アリアケスイサンは親子3代にわたって海苔づくりを続けています。

有明海は、九州最大の河川である筑後川をつたって、山からの栄養が注ぎ込まれます。さらには最大6mにも及ぶ干満差の大きさもあり、海苔養殖に適した海として知られています。

アリアケスイサン 有明海苔 紫彩

このような自然の恵みを活かした伝統製法によって、品質よく作られ続けてきた有明海の海苔でしたが、時代の波もあり、大量生産の画一化された味だけが出回るようになったといいます。バブル崩壊とともに海苔産業も傾き始めた頃、アリアケスイサンはこれまで継承してきた海苔づくりとは異なる、新しい海苔づくりに挑みます。

アリアケスイサン 有明海苔 紫彩

家族で試行錯誤を繰り返すこと3年。深夜まで作業をしてもなお廃棄処分するしかないような海苔しかできないといった苦い経験もありながら、新しい海苔「紫彩」が完成。黒く艶やかで濃厚な甘さが評判を呼び、現在は全国の販売店で扱われる海苔となりました。

アリアケスイサンの古賀哲也さんは、海苔漁師として有明海で1年かけて海苔を育て、全国の食卓へと「紫彩」を届けるとともに、海苔の製法や有明海のこと、海苔の食文化を私たちに伝えてくれています。