梅ボーイズ
梅農家が誇りを持てる梅干しを作りたい。
最終更新日>2023/10/19
文責>鈴木誠史 写真>若菜紘之
「添加物は使わずに、塩だけ、塩と紫蘇だけで梅干しを作る」。「梅そのものの美味しさ、素晴らしさを伝えることで、本来の梅干しを後世に残す」。梅ボーイズは、この2つの宣言を掲げて活動されている梅干し屋さんです。
現代の主流となっている調味液で味付けした梅干しとは異なる、梅本来の味がする梅干しを残すことが日本の食卓にも農業にも大事なことと考え、塩と紫蘇だけで漬けた梅干しづくりを行っています。
梅農家が誇りを持てる梅干しを
志したわけ
梅ボーイズ リーダーの山本将志郎さんは、日本一の梅の産地として知られる和歌山県みなべ町で、5代続く梅農家で育ちました。地元の高校を卒業した後は、北大薬学部に進学し研究に没頭。当時は実家の梅農家を継ぐ気はなかったといいます。
ところが、実家の農園を継いだ山本さんのお兄さんから聞いた「梅を栽培した後は、どの梅も甘い調味液で均一な味になる。正直、栽培にやりがいはない。」という一言をきっかけに、山本さんは、「甘くなく梅本来の味がする梅干しが、最近はほとんど製造されなくなっている」という現状を知ることとなります。
「それなら兄が納得する梅干しを作ろう」と決意し、梅干しの道へと進んだ山本さんは、梅・塩・紫蘇というシンプルで梅の味が活きる梅干しの研究を2017年に開始。
2018年6月より日本各地で販売を開始すると、「梅の味がきちんとする」「なつかしい」「これをずっと求めていた」と、想像以上の反響があったそうです。
研究の末に完成した梅干しは、梅農家の兄にだけでなく、日本の食卓にも求められていると確信した山本さんは、塩と紫蘇だけで漬ける梅干し屋を開業。「梅ボーイズ」の屋号で現在も、梅そのものの美味しさを味わえる梅干しを届けてくれています。